こんにちは、千葉県柏市で妊活を中心に漢方相談してます、漢方専門山崎薬局の山崎です。
今回は妊活中の睡眠の重要性について語らせて頂きます。
当薬局に妊活でご相談に来られる方の年代は20代後半~40代半ば、35歳以上が7割ほどを占めます。
多くの場合、仕事をして、遅くに帰宅、そこから家事と食事の支度、夕食後は片付け、入浴、スキンケア。
お二人目の妊活であれば他にも帰宅前後に子供のお迎えや、寝かしつけが入ってきます。
全てこなして就寝時間のベッドまで体力が持つ方はほとんどいません。
途中で座ってしまったらそのまま寝落ち。
やっとの思いでベッドに入るのは早くて0時、遅ければ2時をすぎるというパターンをよく耳にします。
妊活する上で、あるいは元気で健康な毎日を送る上で『適切な時間の睡眠』と『良質な睡眠を取る事』はとても重要です。
睡眠とはただ脳を休めるだけでなく、様々なホルモンが脳から分泌され、新しい血液や体力を作り、傷ついた細胞を修復したり再生したりして、心身を健康に保つ活動です。
睡眠時間を減らすという事は、自ずと自分の体が健康で健全な状態から離脱していく事を意味しています。
寝ている間に中枢神経から分泌されるホルモンはいくつかあります。
妊活中よく耳にする卵胞刺激ホルモン(FSH:エフエスエッチ)や黄体化ホルモン(LH:エルエッチ)もその一つで、23時~4時位の時間帯に熟睡していると、最大限の量が分泌されると言われています。
FSHは卵胞から女性ホルモン(E₂:エストロゲン)の分泌を促すホルモンで、E₂がたくさん分泌されれば、比例するように卵子は発育し、子宮内膜も厚さを増していきます。
卵胞の大きさが一般的に20mmくらいまで成長すると中枢神経よりLHの分泌が起こり、排卵を促します。
適切な時間に十分な睡眠時間がとれないと上記の卵胞発育→排卵の流れに滞りが生じます。
◯ 睡眠不足から十分なFSHの分泌ができない
→E₂分泌の刺激が弱い
→E₂分泌不足は卵子発育の遅れにつながる
◯睡眠不足から 排卵に必要なLHの分泌が不足
→排卵刺激が弱くなる
→スムーズな黄体期への移行ができない=黄体機能不全の原因の一つ
といったトラブルが生じます
女性ホルモン(E₂)を分泌してもらうために、あるいは発育した卵子をしっかり排卵してもらうためにも、中枢神経系からの刺激はメリハリよく行ってもらう必要があります。
中枢神経系だけでなく、卵巣側でもE₂の分泌量を調整したり、卵巣の消耗を回復したりする為に睡眠が重要です。
極論「睡眠時間を削る」という行動はそのまま妊娠しにくい体質を作る事になっていくのです。
「適切な睡眠時間」と「良好な睡眠の質」このどちらも揃うと理想的な卵胞期を過ごすことが出来ます。
人によって適切な睡眠時間に差はあるかもしれませんが、特に夜11時~朝方4時はホルモンの分泌と整った生理周期・卵胞、卵子の発育にとても重要な時間です。
中々質の良い卵子が育ってくれない、卵胞の発育に周期によって差が大きいという方は、まずこの睡眠時間だけはしっかり寝て過ごす事ができるよう意識してみて下さい。
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