蓄膿症の方が感じる代表的な症状は以下の様なものがあります。
☑ 喉の奥にドロっとしたものが落ちてくる。(後鼻漏)
☑ 匂いがよくわからない。または膿のような匂いがいつもある。
☑ 時々ドロッとした黄緑色の鼻水がたれてくる。
☑ 頬の正面部分や目の間に重苦しい違和感を感じる時がある。
これらはどれか一つでもあれば副鼻腔炎=蓄膿症の疑いがあります。
一度蓄膿症になると放置しておいても治りません。
また時間の経過でどんどん治るまでに時間がかかるように変化していきます。
早い段階で耳鼻科などの医療機関を受診するか、適切な治療を行うようにしましょう。
何度も医療機関を受診した結果、抗生物質や抗アレルギー剤を服用しても何度も繰り返してしまう場合には、根本的な体質改善、症状改善のために漢方をご利用頂くと良いと思います。
まず知っておいて欲しい事は、蓄膿症は「鼻水が出る病気ではない」という事です。
副鼻腔という「鼻からつながっている頭蓋骨の隙間部分に膿がたまってしまう疾患」です。
風邪やアレルギー性鼻炎で病院にかかったときと同じようなお薬が出る事から混同されがちですが、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)はそういった疾患とは全く別の病気です。
確かに副鼻腔炎を起こしている方に病院の治療では鼻が詰まっていたり、通りが悪い状態から、多くの方が抗生剤や抗アレルギー剤を処方されます。
しかし抗生剤や抗アレルギー剤では副鼻腔に溜まってしまった膿を除く事はできません。
アメリカのFDA(厚生労働局)でも現在のこのような医薬品の利用で副鼻腔炎が改善する事はないとする発表がされています。
当薬局にご相談に来られる方も、耳鼻科へ通院して一旦は症状が落ち着いたものの、少しもしない間に症状がひどくなり、同じ事を繰り返してきた方が大半です。
またレーザーなどの外科治療で鼻の粘膜を焼いてしまう治療もありますが、一時的な効果が期待できる程度で根本的な部分は治っていませんのでやはり同じ治療の繰り返しになります。
最近では鼻うがいなどを推奨する耳鼻科も出てきており、鼻うがいは軽度の副鼻腔炎に対しては効果があるようです。
ただ副鼻腔に膿が大量に溜まっており、頭重感や膿のにおいを頻繁に感じるようであれば、鼻うがい程度では追いつかないようです。
蓄膿症は生活習慣病です。
しっかり改善するために薬の治療はもちろん必要ですが、自分の生活習慣の見直しが必ず必要になります。
つらい症状を何度も繰り返していらっしゃるなら、以下に記載する事を多少なりとも参考にして頂ければと思います。
冒頭で書いたように、蓄膿症はただ粘性の高い鼻水が出るだけの、いわゆる鼻炎ではありません。
書いて字のごとく「膿が溜まる病気」です。
問題はこの膿をきれいに排泄できないと炎症が収まらない事で、この事が抗生剤や抗アレルギー剤をいくら使っても蓄膿症を治せない理由でもあります。
蓄膿症の膿は副鼻腔という「頭蓋骨の隙間」に溜まっています。
頭蓋骨に限らず、動物の骨はしなやかさと丈夫さを両立するため密度は高く、しかし軽さを維持するために一定の隙間を作って構成されています。
特に頭蓋骨は、脳や眼球など重要かつ重量級の臓器を守るため丈夫に、かつ軽く構成されています。
頭蓋骨の隙間「副鼻腔」は額の部分の「前頭洞」、鼻の横、ほほの奥には「上顎洞」、眼球の奥には「蝶形骨洞」、鼻腔と眼球の間には「篩骨洞」・・・などがあります。
厄介なことにこれら頭蓋骨の空洞は鼻腔(鼻から気道までの空間)に入り口があるのです。
もちろん必要があって入り口があり、空洞の中も骨がむき出しなわけではなく粘膜に覆われているのですが、アレルギー性鼻炎や風邪の際に生じる大量の鼻水が長期にわたって鼻の中に存在していると副鼻腔と呼ばれるこの頭蓋骨の空洞に溜まることがあります。
通常は粘膜の繊毛運動で老廃物や異物は鼻汁と一緒に体外へ排泄されるように働きます。
しかし疲労やストレス、冷えなど抵抗力や免疫力が低下している状態が続いていると繊毛運動による異物除去の働きも落ちてしまい、膿として溜まり始めます。
これが「蓄膿症=副鼻腔炎」の始まりです。
蓄膿症を治すためには単純に鼻水を止めたり、起きている炎症を治すだけでは不足です。
原因になっている膿をきれいに副鼻腔から排除する事が必要です。
膿がなくなれば炎症もすぐに改善し、後鼻漏やうっとおしい頭痛の改善にもつながります。
副鼻腔にたまった膿を排泄するため副鼻腔粘膜の繊毛運動の回復が欠かせません。
そして普段から膿の停滞、蓄積が起きない体づくりが必要です。
ご自身の努力による睡眠不足や疲労の改善、あまり強いストレスに当たらないような生活習慣の改善、水分のとり方の注意。
健康で元気な体が最終的に蓄膿になりにくい体質を作ります。
1.まず副鼻腔に溜まっている膿をすべて出すこと。
2.膿の排出中に再度溜まってしまう事がないよう鼻炎は同時進行でしっかり改善。
3.副鼻腔中の粘膜は、長期の膿の蓄積で荒れて弱くなり、炎症が起きやすくなっています。炎症改善と同時に粘膜修復が必要不可欠です。
4.最後に鼻腔内粘膜上の循環血流を維持することで繊毛運動を活性化し、蓄膿症が再燃しないよう予防する。
これができるともうしつこい副鼻腔炎の症状に悩まされる事はなくなります。
季節の変わり目にいつも副鼻腔炎を起こしてしまう。
病院でお薬を飲んで治しても、どうしても繰り返して改善できない。
そんな方がいらっしゃいましたら、お気軽に店頭までご相談下さい。