こんにちは、千葉県柏市で妊活を中心に漢方相談してます、漢方専門山崎薬局の山崎です。
最近「基礎体温をつけてない」という妊活中のお客様とよく話をします。
体温は記録しなくても、ルナルナなどのアプリで生理が来た日をチェックしておけば、生理周期日数と排卵予測日が出ますので「私は全く健康で、生理周期になんの問題もない」という方ならアプリによる排卵予測だけでも妊娠までたどり着けるのかもしれませんね。
一方でそれだけでなかなか妊娠出来ないという方。
私のブログに辿り着き、読みこんでしまっているような方は、それだけでは妊娠しにくい方と推察致します。
そんな方は、面倒かもしれませんが一度基礎体温をつけてみることをおすすめ致します。
ここでは基礎体温表をつける事で、妊活に関連してどんな事が見えてくるのかご紹介したいと思います。
一般的に健康な方であれば、生理周期は26~30日ほどの、ほぼ同じ周期日数で巡ります。
28日周期であれば、経血排泄の月経期に次いで卵胞期と言われる卵胞・卵子が発育してくる期間までが期間14日間ほど。
その後体温が上昇する排卵期から生理が来るまでの黄体期が14日間です。
排卵は体温が上昇してくるどこかで行われます。
生理周期にイレギュラーを起こしている方の中には、例えば周期日数は28日周期でも「低温期が長く、排卵日が予測からズレている」という事があります。
卵胞期が長い分だけ排卵が遅くなっているのですが、相対的に排卵後の高温期の期間が短いので、全体としては28日周期となります。
基礎体温は記録せず、生理開始の日だけルナルナなどに記録していると、見かけ上は排卵日予測が14日目になります。
しかし実際はもっと遅くに排卵していますので、タイミングが必要な日もズレてきます。
また上記のパターンで高温期の維持日数が10日前後まで短くなっている方は、最悪排卵できていない可能性があります。
無排卵ではいくら闇雲にタイミングをとっても妊娠はできません。
基礎体温をつける事は、LHサージのタイミングが可視化される事で、この排卵のズレや一見順調に巡っているように見える生理周期が、本当に順調であるかどうかの確認に役立ちます。
もし排卵がズレているのであれば、アプリの予測ではなくご自身の基礎体温の変化に従う形でタイミングを取る必要があります。
また、別のパターンに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や黄体機能不全など、排卵や卵子の発育に関して基礎体温から推測できる事があります。
PCOSがある方は、生理周期日数が長くなったり短くなったり安定しません。
基礎体温は常に高くなったり低くなったりが激しく、排卵しても著しい体温の変化があまり見られず、排卵がいつなのかはっきりしません。
PCOSは単なる排卵障害ではなく、生活習慣から生じる体のトラブルです。
漢方では「痰瘀互結(たんおごけつ)」とも表現され、痰濁(たんだく)という老廃物の停滞と、瘀血(おけつ)と言われる血流が滞っている状態が卵巣あたりに停着している状態と考えられます。
水分摂取過多や食事の栄養の偏り、疲労、ストレスなど普段の生活習慣の中に原因がある、改善可能なトラブルです。
漢方と生活習慣の改善で体調を安定させると基礎体温が安定し、生理周期が整い、排卵を予測しやすくなります。
生理周期が40日前後、あるいはそれ以上と長くなる事があったり、基礎体温も上下に大きく動いたり、低温期と高温期の差があまりわからないようなら、一度PCOSを疑ってみても良いかと思います。
また卵胞期に十分なエストロゲンの分泌ができていないと卵子の発育が十分できず、排卵日までが長かったり、排卵に5〜6日かかったり、黄体期の体温があまり上がらない黄体機能不全を生じる事があります。
黄体機能不全の多くの原因は卵子の発育不全です。
黄体機能不全と診断される方は高温期に不足する黄体ホルモンを、ホルモン補充剤で補う事がありますが、そもそも卵子の発育不全があれば妊娠は難しく、黄体機能不全以前にエストロゲン分泌量の回復をする事が重要です。
基礎体温が1~2周期でも正しく記録できると、正しい排卵日の予測ができます。
また子宮内膜症や慢性子宮内膜炎などの疾患も、基礎体温から予測ができます。
甲状腺機能の異常や、まだ年齢的に若いのに女性ホルモンの分泌が落ちている方も、基礎体温表からその予測ができます。
ちなみに私がお客様の基礎体温から確認させて頂くポイントは大体以下のようになります
◯ 毎周期ちゃんと排卵できているのか
◯ 中枢神経と卵巣は正しくホルモンの交通が出来ているか
◯ 卵巣が疲れてしまっていないか。
◯ 生理周期に関連するホルモンがバランスよく出ているのか
◯ 排卵のタイミングでおりもの(ノビオリ)は出ているか
◯ 卵子はしっかり発育できているか
◯ 生理周期に影響・トラブルを与える因子の有無
◯ 各周期の状態から関連する疾患の有無の予測
病院の検査を行わなくても(もちろん行ったほうがより正確である事は確かですが)、基礎体温を取るだけで、これだけの事が読み込めます。
そして、体質を整えて生理周期と基礎体温のグラフが安定してくると、排卵の予測が立てやすくなり、妊娠できるであろうタイミングの指導が取りやすくなります。
妊活を行なっているけど、なかなか面倒で基礎体温は今までは記録していなかったという方。
一度記録していたけど、ガタガタで、ストレスになるので、朝は時間がギリギリで余裕がなくて、やめてしまったという方。
そもそも基礎体温をつけても二層にならず、つけている意味もわからなかったという方。
計測の仕方を間違えているのでない限り、基礎体温がきれいな二層線にならないという事は、トラブルを抱えている事とイコールです。
それが最終的な目的ではありませんが、基礎体温は誰でもきれいな二層線を作れます。
原因不明の不妊と言われている方や、今まで基礎体温をつけた事がないという方は一度記録してみて下さい。
そして、あまりに上下にラインがギザギザしていたり、二層線のメリハリがなかったり、低温期の体温が高かったり、高温期の体温が高くならなかったりするようであれば、必ず何か原因があります。
漢方で、対応できる方法があります。
一人で悩まず、お気軽に一度ご相談下さい。
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