子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。
性成熟期の女性(20代〜40代)の多くは複数軽度の子宮筋腫を持つと言われています。
西洋医学的には子宮筋腫の原因は不明です。
女性ホルモンの影響で筋腫が発育していくと考えられ生理のたびに大きくなっていく傾向があります。
子宮筋腫は、発生する場所によって大きく3つのタイプに分けられます。
最も多い 「筋層内筋腫」
次に 「漿膜下筋腫」
最後に 「粘膜下筋腫」 です。
極まれに、子宮頸部にできる事もあります。
子宮の筋肉の中で腫瘍が大きくなっていくタイプです。
子宮筋腫の成長に伴い子宮内壁・臓器も引き伸ばされるので、月経痛が重くなり、月経時の出血量も多くなる傾向があります。
出来てしまった場所によっては生理終了後も排卵までの期間は痛む事があります。
子宮の外側を覆う膜(漿膜)にできる子宮筋腫です。
外から触れて分かるほどの大きさになっていても痛みや出血などの症状が出にくいタイプです。
自覚症状よりは別の検査でエコーやMRIなどを行った際に発見されることが多いようです。
子宮の一番内側の子宮内壁にできる筋腫です。
発生率は少ないですが貧血症状は最もはっきり現れ、着床の邪魔になるために不妊に確実に絡む筋腫です。
筋腫がまだ小さくても過多月経や不正出血が生じる事があります。
人によりますが全く生理痛がない事もあれば、強く痛みを自覚する事もあります。
いずれの子宮筋腫でも、自覚する代表的な症状としては
✔ 月経過多
✔ 月経時に大きなレバー状の塊が出る
✔ 時々不正出血する事がある
✔ おりものが黄色っぽい、においが強い
✔ 尿失禁や頻尿を自覚する
など。
病院では検査で見つかった際の筋腫の大きさが4cm以下であれば、発生している場所にもよりますが経過観察となる事が多いようです。
逆に4cm以上の大きさだったり出来ている場所があまり良くない場合は外科的な対応になります。
子宮筋腫を持ったまま40代半ば以降になると、人によっては月経が中々止まらなくなったり、出血量が大幅に増えてしまったり、生理周期が20日前後に短縮し殆どの期間出血があるなどのトラブルが現れる事があります。
このようなご相談に来られる方の共通項目として、筋腫以外にも強いストレスや疲労感、精神的な余裕のなさなどがありますが、子宮筋腫がある事で更年期前後に大きなリスクを抱えている事は確実です。
あまり大きな子宮筋腫であればやはりまずは外科的な処置を。
小さな筋腫でも、日常的な甘いものや過剰なストレスは避け、筋腫が大きく成長していかないようお気をつけ下さい。
中医学では子宮筋腫の原因として
「瘀血(血流の滞り)」
「気滞(気の巡りの滞り)」
「寒凝胞宮(強い冷えが子宮にある)」
などを考えています。
したがって漢方薬としては
「活血化瘀薬(血流を良くし血瘀を改善)」
「疏肝理気薬(肝の気の巡りを整える)」
「温経散寒薬(冷えを散らし子宮を温める)」
などの漢方薬を中心に考えます。
あまりにも成長した子宮筋腫に対しては瘀血の塊を崩していく力を持つ生薬を追加することもあります。
仮に病院で子宮筋腫の手術を行うとしても、オペ後は生理痛や過多出血を早期に改善できるメリットがありますが、筋腫を作った原因体質の治療にはなっておらず、治療後も子宮筋腫を繰り返すデメリットがあります。
漢方薬での子宮筋腫の対応は子宮筋腫を作ってしまった体質的なトラブルを改善していきます。
3cm以下程度の小さな筋腫であれば不妊相談をしているうちに消えてしまうこともあり症状が軽い方にはメリットは大きいと思います。
一方で4cm以上の大きな筋腫になると、漢方薬のみで縮小するためには相応の時間が必要です。
山崎薬局にも子宮筋腫に対応しつつ不妊のご相談に来られるお客様は多くいらっしゃいます。
子宮筋腫が4cm以上の大きさの場合、あるいは痛みや出血症状が激しいなどの場合は、オペを優先した方が良いとアドバイスしています。
妊活をお考えの方は、筋腫のオペを受ければ子宮の傷が完全に癒えるまで半年は妊活はできなくなります。
そうでなくても近い将来妊娠をご希望している方にとって子宮の手術は極力避けてほしいと思います。
西洋医学の外科的な治療と漢方的な体質改善から得られる治療効果、それぞれのメリット、デメリットを踏まえて改善に望んで頂きたいと思います。
病院でのホルモン剤、手術などでお悩みなら、ぜひ一度山崎薬局でご相談ください。